犬の習性と愛情表現とは?不思議な行動の意味を読み解こう
と暮らしていると、「どうしてこんなことをするのだろう?」と感じる行動に出くわすことはありませんか?一見、不可解に思えるしぐさにも、犬なりの理由や意味がある場合がほとんどです。 本記事では、犬が本能的に持つ「習性」と、それに関連する愛情表現についてご紹介します。犬の行動の背景を知ることで、より良い関係を築くためのヒントになるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

犬が見せる4つの本能的な習性

犬は、人間と暮らす中でも、野生の時代から受け継がれた本能に基づいて行動することがあります。まずは、犬によく見られる代表的な習性を4つ見ていきましょう。

1. 遠吠えをする

犬が時折、口を大きく開けて「ウォーン」と長く吠えるような遠吠えをするのを聞いたことがあるかもしれません。この行動は、犬の祖先であるオオカミの名残とされています。オオカミは、仲間との距離を縮めたり、自分の居場所を知らせるために遠吠えを利用していました。

家庭で飼われている犬も、飼い主を群れの仲間として見ているため、ひとりきりになると不安や寂しさから遠吠えをすることがあります。留守番中に声を上げるのは「どこにいるの?」「帰ってきてほしい」という気持ちの表れかもしれません。

また、遊び足りない、刺激が足りないなどの不満が原因となっていることもあるため、頻繁に遠吠えするようであれば、生活環境やストレスの有無も見直してみると良いでしょう。

2. 足を上げて排尿する

雄犬によく見られるのが、後ろ足を片方持ち上げておしっこをする行動です。これは単なる排泄ではなく、自分の存在を他の犬に知らせる「マーキング」の意味合いがあります。

高い場所に尿をかけることで、自分をより大きく、強く見せようとしているのです。また、匂いが広がりやすくなるため、他の犬にアピールする意図も含まれています。

特に発情期にはこの行動が強まる傾向があり、室内でマーキングしてしまうことも。そういった場合は、去勢手術の検討や、主従関係を明確にするしつけが必要になるかもしれません。

3. 穴を掘る

犬がソファやベッド、クッションをカリカリ掘るような仕草をすることはありませんか?この「穴掘り行動」も、犬が持つ本能的な行動の一つです。オオカミの時代には、穴を掘って食料を隠したり、寝床を作ったりするのが一般的でした。

しかし、現代の家庭犬がこの行動を見せる背景には、退屈やストレス、あるいは運動不足などの環境要因が関係している場合があります。叱るのではなく、十分な運動や遊びの時間を与えることで、自然に落ち着いていくこともあります。

4. マウンティング(乗っかる)

他の犬や人、さらにはぬいぐるみなどに前足をかけて乗るような動き、いわゆる「マウンティング」も、犬がよく行う習性の一つです。一見すると性的な意味合いに思えるかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。

犬にとってマウンティングは、遊びの延長であったり、社会的な順位を確認するためのコミュニケーションでもあります。ただし、頻繁に繰り返される場合や、人に対してしつこく行うようになった場合は、ストレスや興奮が原因の可能性もあるため、適切な対応が求められます。

犬の行動に隠された「愛情表現」

犬は言葉を話すことはできませんが、しぐさや行動を通して愛情を示しています。日常的に見られる以下のような行動にも、深い信頼と愛情の気持ちが込められています。

1. 舐めてくる

犬が飼い主の顔や手、足などをペロペロと舐めるのは、愛情のサインです。これは、子犬時代に母犬の口元を舐めてエサをねだったり、甘える仕草として身につけた行動が大人になっても残っているものです。

人間に対してこの行動をする場合、「大好きだよ」「安心しているよ」という気持ちの表れと考えられています。とはいえ、衛生面を考えると、舐められた後はしっかりと手洗いやうがいをしておくと安心です。

2. 甘噛みをする

軽く噛むような仕草、いわゆる「甘噛み」は、子犬がよく見せる愛情行動の一つです。これは「もっと遊んでほしい」「注目してほしい」という気持ちを伝える手段です。

子犬同士でじゃれ合う際にも見られるこの行動を、飼い主に対して行っているのです。ただし、成犬になると甘噛みが本格的な「噛み癖」に発展することもあるため、おもちゃなどを使って噛む対象をコントロールするようにしましょう。

3. 体を寄せてくる、くっつく

犬が飼い主の隣にぴったりと寄り添ってきたり、膝の上に乗ってきたりするのも、深い信頼の表現です。群れで暮らしていた犬にとって、仲間と身を寄せ合うことは安心の象徴でした。その習性が、飼い主とのスキンシップに表れています。

特に飼い主が落ち込んでいたり、元気がないときにそっと寄り添ってくるのは、犬が人間の感情を敏感に察知している証拠です。そんな時は、優しく撫でたり、声をかけたりしてあげると、犬にとっても安心できる時間になります。

犬の行動を理解し、もっと仲良くなろう

犬の行動には、野生時代から受け継がれてきた本能が色濃く残っています。そして、それらの習性は私たち人間にはなかなか理解しづらいものもありますが、意味を知ることで犬の気持ちに寄り添うことができるようになります。

また、愛情表現のサインに気づくことで、犬との信頼関係をさらに深めることもできるでしょう。

犬との生活は、日々の小さな気づきや学びの積み重ねです。ぜひ今回ご紹介した内容を参考にして、愛犬との暮らしをより豊かなものにしてくださいね。