犬の散歩は毎日必要?頻度や時間、守るべきマナーを解説
「うちの犬、毎日散歩に連れていくべき?」「どのくらいの時間が適切なの?」——こんな疑問を抱いたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。特に忙しい日や天気が悪い日など、毎日の散歩が難しいこともありますよね。
そこで今回は、「なぜ犬に散歩が必要なのか」という基本的な部分から、散歩の適切な時間・頻度、そして他の人や犬と気持ちよく過ごすためのマナーまで、幅広くご紹介します。
犬とより良い関係を築くためにも、ぜひ参考にしてください。


なぜ犬にとって散歩が大切なのか?

犬の散歩には、単なる運動以上の重要な意味があります。ここでは、犬に散歩が必要とされる主な理由を3つ解説します。

健康維持と運動不足の解消

まず第一に、犬の身体的な健康を保つために散歩は欠かせません。歩くことで筋肉が鍛えられ、脂肪の燃焼も促進されます。運動不足が続くと肥満になりやすく、それが原因で関節のトラブルや心臓病など、さまざまな病気を引き起こすリスクもあります。

特に、室内で過ごす時間が長い犬は、意識的に運動の機会を作ってあげることが大切です。ただし、犬種や年齢によって必要な運動量は異なりますので、無理に長時間歩かせるのではなく、愛犬の体力や体調を見ながら調整しましょう。

ストレス発散の手段

犬も人間と同じように、適度な刺激がないとストレスを感じる生き物です。外の空気を吸いながら、さまざまな匂いや音、景色に触れることは、犬にとって大きな気分転換になります。

ストレスがたまると、吠え癖や家具をかじるといった問題行動につながることも。散歩ができない日が続く場合は、室内でボール遊びをしたり、知育玩具を活用したりするなど、代わりに脳や体を使える遊びを取り入れてあげると良いでしょう。

社会性を育む機会に

散歩は、犬が社会と触れ合う貴重な機会でもあります。他の犬や人と出会うことで、社会性を身につけるきっかけになるのです。

特に生後3〜12週齢の「社会化期」と呼ばれる期間は、さまざまな刺激に慣れさせる絶好のタイミング。この時期にいろいろな経験をさせることで、人見知りや他犬への攻撃的な反応などを防ぐことができます。

成犬になってからでも、少しずつ慣らしていけば社会性を伸ばすことは可能です。日常的に外の世界に触れることは、犬の心の成長にもつながります。

散歩の頻度や時間の目安は?

散歩の回数や1回あたりの時間は、犬の大きさや年齢、個体差によって変わりますが、おおまかな目安として以下のように考えられています。

▼小型犬
散歩の回数…1日2回程度
1回の時間…20〜30分

▼中型・大型犬
散歩の回数…1日2〜3回
1回の時間…30〜60分

ただし、これはあくまで一般的な目安です。高齢の犬や体力の少ない犬には、短めの散歩でも十分な場合がありますし、活動的な犬種ではもっと長時間必要とすることもあります。

また、夏場の暑い時間帯の散歩は熱中症のリスクが高いため、早朝や夕方など、比較的涼しい時間を選ぶようにしましょう。アスファルトは日差しを吸収しやすく、犬の肉球をやけどさせてしまう危険もあるため、地面の温度チェックも忘れずに。

散歩時に守りたい基本的なマナー

愛犬との散歩は楽しい時間ですが、他人や周囲の環境への配慮も必要です。ここでは、散歩時に守りたい主なマナーを3つご紹介します。

必ずリードを装着する

犬を散歩させる際には、リードの着用は絶対です。ノーリードでの散歩は、法律上も禁止されており、事故やトラブルの原因になる可能性があります。

どんなにおとなしい犬でも、突発的な音や見慣れないものに驚いて飛び出してしまうことがあります。万が一交通事故にあったり、他人や犬にかみついてしまったりすれば、大きな問題になりかねません。

また、公園などの広い場所でも「リードの長さ」にも注意が必要です。ロングリードを使う場合も、他の利用者が不快に感じないよう配慮しましょう。

飼い主の横を歩かせるようにしつける

犬が自由気ままに前後左右へ歩いてしまうと、リードが絡まったり、他人にぶつかることがあります。理想は、飼い主の隣で落ち着いて歩く「リーダーウォーク」を身につけさせること。

これは単なるマナーではなく、犬と飼い主の信頼関係を築くしつけの一環でもあります。アイコンタクトを取りながら歩くことができれば、犬も安心して行動できるようになります。

トレーニングにはおやつや声掛けを活用しながら、楽しく学ばせてあげましょう。

排泄物は責任を持って処理する

散歩中に犬が排泄してしまうことはありますが、その際は必ず適切に処理をすることが飼い主の義務です。

排泄物は持参した袋で回収し、自宅に持ち帰るのが基本です。また、尿をした場所には水をかけて洗い流すなど、周囲の衛生や見た目にも配慮しましょう。

また、散歩に出かける前に室内でトイレを済ませさせておくことで、外での排泄頻度を減らすこともできます。外でしか排泄しなくなると、雨の日や旅行中などに困ってしまうこともあるため、室内トイレの習慣も大切にしていきましょう。

散歩は愛犬との大切なコミュニケーション

犬にとって散歩は、運動不足の解消だけでなく、ストレスを発散し、社会性を育てるための大切な時間です。できるだけ毎日外に連れて行ってあげることが理想ですが、無理のない範囲で、室内遊びなども取り入れながら柔軟に対応することが重要です。

また、散歩中は他の人や犬とのトラブルを避けるために、基本的なマナーを守ることが飼い主としての責任です。

愛犬の健康と安全、そして地域社会との調和のためにも、日々の散歩をより楽しく、安心して行えるよう意識していきましょう。