肛門腺って何?ウンチとは違う?自宅でできるコツ
さんは、「肛門腺」ってご存知ですか? 犬をトリミングへ連れて行くと、「肛門腺絞りしておきますね」って言われることがよくあります。 「お願いします」とは言ってみたものの、、正直言ってあんまりよくわかっていません。 今更「コウモンセンってなんですか?ウンチのことですか?」なんてちょっと聞きにくいですよね。 そう感じているのはあなただけではありません。

アンケートによると、約4割の人は肛門腺について「全く知らなかった」または「聞いたことはあるけどよくわからない」と答えているそうです。 この記事を読めば、肛門腺とは何か、なぜ絞る必要があるのかが簡単にわかります。 また、自宅で肛門腺を絞れるようになるコツもお伝えしたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

肛門腺とは?

肛門の下辺りには、肛門腺嚢という小さな袋が体の中に存在しています。 その袋の中に匂いのある分泌液が溜まるのですが、これを肛門腺と言います。 溜まった分泌液は、肛門下の左右にひとつずつある小さな穴から、少しずつ排出されます。 見え辛いかもしれませんが、よーく見ると肛門の下に小さい穴がふたつ空いているのを確認できますよ。

肛門腺は全ての犬や猫に存在していて、分泌液の内容はその日の体調によって日々変化すると言われています。 よく動物同士がお互いのお尻の匂いを嗅ぎ合っていることってありませんか? それは、相手の肛門腺の匂いを嗅ぐことで「今日はどんな調子?元気?」って確認し合っているんですね。 肛門腺はよくウンチと勘違いされますが、動物同士のコミュニケーションツールになる分泌液のことなんですね。

品種改良されたペットは肛門腺を自分で出せない

肛門腺は全ての犬や猫に元々存在している器官です。 もしかしたらこう思う方もおられるかもしれません。 「野生の犬や猫は、わざわざ人間に肛門腺を絞ってもらったりしないよね。だとしたら、ペットも放っておいてもいいんじゃない?」 確かにおっしゃるとおりです。 本来犬や猫は排便する時に肛門腺も一緒に出るので、人間が絞ってあげる必要はありません。 でも、今私たちの周りにいるほとんどの愛玩動物は、人間が品種改良を重ねて作り上げたものです。 そのため、筋肉が少ないペットや体の小さなペットは、肛門腺を出しにくい体質になってしまいました。

また、ペットが長生きするようになったので、老齢に伴って足腰や筋肉が弱り、肛門腺が出にくくなるということも考えられます。 私たちが定期的に絞ってあげないと、分泌液が溜まりすぎて、肛門腺が体内で破裂してしまうことがあるんです。 もし破裂したら痛みを伴いますし、全身麻酔手術をして治療しないといけません。 2週間に1度ほど、定期的に絞るようにすると、肛門腺の溜まりすぎを防げるでしょう。

絞り方はコツさえ掴めば簡単

ここまでで、肛門腺を絞ることの大切さをお伝えしました。 トリマーさんや獣医さんにお願いすれば、肛門腺を絞ってもらえます。 でも毎月トリミングや動物病院に行くとなると、正直お財布の具合も気になるところですよね。 もし自宅でできたら、節約にもなりますし、愛犬との絆も強まりそうです。 肛門腺絞りは一見難しそうに見えますが、コツさえつかめばとても簡単です。 ではここからは、プロトリマー直伝!肛門腺絞りのコツをお伝えします!

コツ1 場所の把握

まずは肛門腺の場所を確認しましょう。 肛門腺の出口は肛門の4時と8時の方向にふたつあります。 ここから肛門腺を出すイメージです。 肛門の下のあたりを親指の腹と人差し指の腹でグッとつまんでみてください。 プクッと膨らんでいるのを感じたら、それが肛門腺です。

コツ2 犬の体の支え方

右利きの方は、左に犬を向かせ、左腕で犬の股に手を入れて犬が座らないように優しく支えましょう。 右手でプクプクとしたところを親指と人差し指で挟めたら、まずはゆっくりマッサージして、肛門腺を柔らかくしましょう。 左手で犬の尻尾を真上に上げると、肛門腺の形がよりわかりやすくなりますよ。 そして、右手でゆっくりと肛門から出す感じで引っ張ってみましょう。 一度で出る時もあれば、何度かチャレンジして少しずつ出る時もあるので、焦らずゆっくり動くのがポイントです。 注意点として、肛門腺を絞る時は、犬の皮膚を傷つけないように、爪は短めに切っておくことをお勧めします。

コツ3 できればお風呂場で

サラサラした肛門腺だと、勢いよくピュッと飛ぶことがあるので、気をつけましょう。 肛門腺の匂いは独特でかなり臭いので、尻尾やお洋服に付くとなかなか消えません。 それで、肛門腺を絞る時はできるだけすぐにシャンプーして洗い流せるように、お風呂で行なうといいと思います。

まとめ

いかがでしたか?肛門腺について少し理解できたでしょうか? 肛門腺は動物同士の大切なコミュニケーションツールであるということ、肛門腺を絞るのは、ペットの健康を守るためにとても大切なことだとわかりました。 また、肛門腺を自宅で絞る際のコツもお伝えしました。 ペットの中には、肛門腺の出口の穴が小さかったり、肛門腺の粘度が高いために、なかなか出ないということもあります。 その時は無理をせずに、獣医さんに相談してみましょう。