玉ねぎをペットにあげてはいけない理由
ットを飼っておられる皆さん、「犬や猫に玉ねぎを食べさせるのは絶対ダメ」っていう話を聞いたことがありますか? 「確かに聞いたことあるけど、火を通せば大丈夫なんじゃないの?うちの犬、間違って食べちゃったことがあるけど、何にも起こらなかったよ」 確かに玉ねぎは料理によく使われる野菜ですし、一見すると無害に思えるかもしれませんが、実は玉ねぎにはペットにとって深刻な危険がいっぱい潜んでいるんです。 火を通せば大丈夫なんでしょうか? 少しだけでもダメなんでしょうか? 気になりますよね。 今回は、ペットに玉ねぎを与えることの危険性について、詳しく掘り下げてみたいと思います。 ぜひ最後までご覧ください。

なぜベットに玉ねぎをあげたらダメなのか

そもそも、なぜ犬や猫に玉ねぎをあげるのは危険なのでしょうか。 昔は「ねこまんま」と言って、犬や猫は人間の食べ残した残飯を与えられて、それを食べていましたよね。 その残飯にもきっと玉ねぎは入っていたのではないでしょうか。 時代は変わり、昔と違って今はペットに関する愛護精神が高まってきました。 それに伴い、ペットに関する正確な情報も手に入るようになりましたね。 そのおかげで、私たちはペットの習性や体の仕組みをより理解できるようになり、犬や猫の平均寿命は10数年も延びました。 正確な情報の中には、ペットが本当は食べてはいけない物という情報も含まれています。 与えなくなったというものもあります。 では、ペットが食べてはいけないとされている「玉ねぎ」について、もう少し詳しく調べてみましょう。

玉ねぎに含まれる成分

玉ねぎには、アリルプロピルジスルフィドという成分が含まれています。 人間は、このアリルプロピルジスルフィドを分解する酵素を体内に持っていますが、犬や猫は持っていません。 そのため、ペットが玉ねぎを食べると、この物質が分解されずに体内で増え続け、結果として中毒症状を引き起こしてしまうのです。 これがペットにとって玉ねぎが有害な影響を及ぼすと言われている理由です。 では、具体的にどんな中毒症状を起こすのか見てみましょう。

中毒症状を起こす

ペットが玉ねぎを摂取することで現れる中毒症状は、かなり深刻です。 アリルプロピルジスルフィドは、体内に入ると赤血球を直接溶かします。 また、アリルプロピルジスルフィドは赤血球に大量に含まれるヘモグロビンという成分の形を変化させます。 変化したヘモグロビンは血管内でうまく流れることができずに、破裂してしまうのです。 結果として、酸素を運ぶ大切な赤血球が大量に失われてしまって、重度の貧血症状を引き起こします。

玉ねぎによる中毒症状には、嘔吐、下痢、食欲不振、無気力などが含まれます。 重篤な場合には、下血、血尿、呼吸困難などの症状が現れ、最悪、死に至ることもあります。 この中毒症状は、玉ねぎを食べてから2〜3日後に現れるので、飼い主はペットがなぜ急に具合が悪くなったのかわからないという場合が多いようです。 「玉ねぎを食べたかもしれない」と思った時は、症状が出ていなくてもすぐに動物病院へ連絡しましょう。 そして、玉ねぎを食べる危険性の高いキッチンへは入らせないことによっても、ペットが玉ねぎを間違って食べるのを防ぐことができます。 人間が食事をしている時も十分気をつけるようにしましょう。 ペットがいくら人間の食べ物を欲しがったとしても、料理にはペットにとって危険な成分が入っているということを忘れないようにしましょう。

ごく少量でも危険

どのくらいの玉ねぎを食べれば中毒の症状が現れるかはペットの体の大きさによって異なります。 しかし、ペットの体は人間に比べると非常に小さいので、人間にとってごくわずかと思える量でも、命に関わるほど危険です。 そして、このアリルプロピルジスルフィドは加熱しても有毒性が消えることはありません。 玉ねぎを直接与えることはしないかもしれませんが、料理の中に入った玉ねぎや、玉ねぎのエキスが入ったスープなども、ペットにとっては非常に危険なのです。 加熱しているかどうか、量がどれくらいかに関わらず、ペットに玉ねぎを与えることは絶対にやめましょう。

危険なのはネギ属の植物

実はこのアリルプロピルジスルフィドは、玉ねぎだけに入っている成分ではないようです。 ニラ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ワケギなどのネギ属の植物も、同じ有害成分を含んでいます。 全部身近な野菜ですよね。 それだけ危険な有毒なものが、ベットのすぐそばにあるということです。 これらの食材も同様にペットに与えるべきではありません。

まとめ

いかがでしたか? 玉ねぎって、私たち人間にとっては栄養豊かでとても美味しい食べ物ですが、ペットにとっては命を奪いかねない危険な植物なんですね。 ペットは何も知らずに私たちが食べているものを「欲しい欲しい」とねだることがありますが、玉ねぎの危険を知っているなら、与えたいとは絶対に思わないはずです。 玉ねぎに含まれる有害成分やその中毒症状、ごく少量でも危険であることを理解し、ペットの健康を守るために、ネキ属の植物は絶対に与えないように心がけましょう。