ペットが熱中症になった時に慌てないためにできること
私たちと同じように、犬や猫も熱中症になることがあります。
特に体の小さなペットは、命に関わる重篤な状態になるまで、わずか5分もかからないと言われています。
これから暑い夏がやってきますが、自分の大切なペットが熱中症になった時に、あなたは飼い主として、大切な命を守る備えはできていますか?
ペットが死にそうになっていると、誰もがパニックになってしまうものですが、事前に対処する方法を知っているだけで、冷静に判断できます。
そうすれば、ペットの命を救う確率もグンと上がるでしょう。
この記事では、ペットが熱中症になった際にできるだけ慌てないために、飼い主としてできることを詳しく解説します。
ぜひ最後まで読んで、今から備えておきましょう。
ペットの熱中症とは
熱中症とは、高温多湿や激しい運動によって体温が異常に上昇し、様々な不快な症状を引き起こす状態のことです。
犬や猫は汗腺が少ないため、熱中症になりやすく、人間よりも圧倒的に速いスピードで致命的な状態に至ります。
熱中症になるかもしれない状況を徹底的に避けることが最優先ですが、万が一熱中症になりかけていたら、素早く対処する必要があります。
症状
熱中症の主な症状には、呼吸困難、ノドの渇き、吐き気、嘔吐、めまい、意識障害などがあります。また、体温が異常に高くなる場合もあります。
重症化すると意識障害や痙攣が起こり、最悪の場合は、そのまま死に至ってしまいます。
意識がない時にするべきこと
ペットが意識を失っている場合は、まず涼しく安全な場所に移動させます。
水で濡らした手をペットの鼻にかざし、呼吸の有無を確認しましょう。
呼吸しているように見えて、実は呼吸していない場合もあります。
それは「下顎呼吸」といって、心肺停止直前に見られる反応です。
ガーガーとイビキのように呼吸しているのに胸が上下していない場合、呼吸はできていません。
その場合は、速攻で心臓マッサージを行なう必要があります。
もし通常の呼吸を感じたら、まずは大丈夫です!
すぐに次の処置に進みましょう。
動物病院へ連絡
ペットが熱中症になったら、迷わずにすぐに動物病院に連絡してください。
専門家の助けを借りることで、適切な処置を行うことができます。
大抵は「急いで病院へ連れて来てください」と言われると思いますが、その間にもどんどん症状は悪化していくかもしれません。
先生にバトンタッチするまで自分にできることをしましょう。
できれば、獣医さんと電話を繋いだままにしておけるかもしれません。
冷やす!
熱中症になっているペットの体温は、40度を超えます。
42度まで上がってしまうと、一気に命が危険にさらされます。
一刻も早く体温を下げなければいけません。
うちわでパタパタあおぐだけでは、到底追いつきません。
保冷剤や氷嚢をタオルで包み、ペットの体を冷やしましょう。
首や脇の下、足の付け根には太い動脈が走っているので、そこを特に冷やすようにしましょう。
大型犬や中型犬などは、冷たい水をバシャバシャとかけたりすることが有効です。
水が顔にかかって窒息しないように注意しながら、動脈付近をとにかく冷やしましょう。
心臓マッサージ
意識がなく呼吸も心臓も止まってしまっていたとしたら、心臓マッサージを行ないましょう。
心臓マッサージなんてしたことがなくて恐いかもしれませんが、一刻をあらそいます。
もし獣医さんと電話が繋がっているなら、獣医さんの指示のもと行なうことができますが、どちらにしても心臓マッサージをするのは、あなたです。
まずは犬を横に寝かせて、心臓の位置を確認しましょう。
犬の心臓は、前足を曲げたところの胸部にあります。
大型犬や中型犬の場合は両手で、小型犬や猫の場合は片手で行ないます。
1分間に30回マッサージをしたら、人工呼吸を2回します。
人工呼吸は、ペットの首の位置まで自分の顔を下げて行ないます。
無理にペットの首を上げないようにしましょう。
人工呼吸の方法は色々ありますが、この記事では一番簡単な方法をご紹介します。
ペットの鼻と口を、自分の口で同時にすっぽり咥えて、フーッと息を吹き込みます。
ペットの肺は小さいので、思い切り吹き込まないようにしましょう。
蘇生するまで心臓マッサージと人工呼吸を続けます。
意識がない時にしてはいけないこと
熱中症でペットの意識がない時に、やってはいけないこともあります。
なぜそれをしてはいけないのか、理由も合わせて覚えておきましょう。
代表的なものをふたつだけ、簡潔にご紹介します。
冷たすぎる水風呂
冷やすために氷水にペットの体ごと浸すなど、体温を急激に下げる行為は避けましょう。
体にショックを与えて、心肺停止してしまう可能性があるからです。
水を無理やり飲ませる
意識がない状態のペットに水を無理やり飲ませることはとても危険です。
窒息したり、肺に水が入ったりしてしまう可能性があるからです。
まとめ
ペットが熱中症になった時には、冷静に対処し、速やかに専門家の助けを求めることが重要です。しかし、専門家に頼れない場合も多いのが現実です。
人間と違って動物には救急車もないので、飼い主がペットの命を守る方法を知っておくことは、本当に大切ですね。
万が一の事態に備えて、いつも準備しておきましょう。
愛するペットを危険から守れるのは、あなたなのです。