いくら栄養バランスがよく、愛犬好みのドッグフードを選んだとしても、保存方法が悪ければ意味がありません。
栄養価が落ちて、食いつきも悪くなるだけではなく、愛犬の健康を害してしまう可能性もあります。
今回は、そんな愛犬が美味しく食べることができるような、ドッグフードの保存方法を紹介していきましょう。
ドッグフードを正しく保存する理由
飼い主さんの多くは、水分を含まないドライフードを選んでいるでしょう。
ウェットフードと違い、ドライフードは保存が楽な反面保存方法を間違っているかもしれません。
保存方法が適切かは、愛犬の健康を維持するために大切なことですよね。
ここでは、正しく保存をする理由を紹介します。
風味が落ちることで食いつきが悪くなる
保存状態が悪いと、なぜ愛犬の食いつきが悪くなるのでしょうか。
ドッグフードには、脂質配合率5%以上が義務付けられています。
脂質は5大栄養素のひとつで、エネルギー源になるほか、皮膚や被毛の健康を保つなどの役割があります。
また、味や香りなども脂質の役割です。
しかし、保存状況が悪くドッグフードが酸化すると、風味が損なわれてしまいます。
食いつきが悪くなるだけではなく、脂質が過酸化脂質になると体内細胞の老化を促進してしまうなど、愛犬の健康に悪影響を与えかねないです。
健康維持に必要な栄養を摂れない
ドッグフードの酸化は空気だけではありません。紫外線の影響もあります。
特に抗酸化成分として知られるビタミンC・Eは紫外線によって破壊されやすく、犬にとって最も大切な栄養素であるタンパク質も変性してしまいます。
愛犬の健康に悪影響を及ぼす恐れも
保存状態が悪いドッグフードは、充分な栄養バランスを摂取できません。
また、酸化したフードを食べることで、体内に取り入れられた過酸化脂質が動脈硬化や心筋梗塞、アレルギーなどの原因となってしまう場合もあります。
劣化したフードは無理に食べさせず、すぐ廃棄するようにしましょう。
カビや虫の発生リスクが高くなる
高温多湿はカビ・細菌・虫が発生する可能性があり、保存場所の急激な温度変化にも注意が必要です。
特にドライフードは冷蔵庫に保存すると、取り出したときの室温で結露が生じる場合があるのでやめましょう。
半生やウェットフードも開封したら、ラップで小分けにしたり、容器に移して冷蔵庫に保存しましょう。
ドッグフードを保存する基本ルール
では、ドッグフードを劣化させないために、どんな保存方法がいいのでしょうか。
ここでは、フードに適した保存の基本ルールを紹介していきます。
空気に触れさせない
ドッグフードに限らず、物質と酸素が結合することで酸化は起きます。
空気中に含まれている酸素と結合することで、ドッグフードも酸化し劣化するので、開封したらなるべく空気にふれさせないことがポイントになります。
高温多湿な場所を避ける
高温多湿な場所は、食品は腐りやすく、カビ・細菌・虫などが発生しやすくなります。
一般的な目安として、高温多湿を避けるのであれば、室温25℃以下、湿度50〜60%程度が望ましいでしょう。
温度差が激しい場所は避ける
ドッグフードのパッケージには「冷暗所に保管してください」と記載がありますが、冷蔵庫ではいけません。
冷暗所とは室温が低く一定に保たれ、直射日光の当たらない風通しのいい場所のことをいいます。
冷暖房の影響を受けにくい場所に保管することも大切です。
直射日光が当たる場所は避ける
ドッグフードは直射日光が当たると、温度変化で中身が劣化しやすくなります。
フードの酸化が進むだけではなく、紫外線の影響で変色してしまいます。
室内の保存場所は日陰を選ぶようにしましょう。
香りの強いものの側は避ける
ドッグフードの横に、匂いが強い食品を保存していませんか。
匂い移りしてしまうと、嗅覚が鋭い愛犬は、食べてくれなくなってしまうことがあります。
他にも、香りの強い飲料・薬味・薬品などの横に保存しないように注意しましょう。
開封後のドッグフードの保存方法と期限
では、ドッグフードはどれくらいの期間保存が可能なのでしょうか。
開封した後の保存期間を紹介していきましょう。
ドライフードは密閉して常温保存
ドライフードは開封前・開封後関係なく、保存場所は冷暗所を推奨しています。
また、開封後の使用期限は約1ヶ月です。
保存状況が良ければ、開封後のドライフードは約1ヶ月の保存が可能です。
直射日光や高温多湿を避け、温度変化が少なく風通しの良い場所で、できるだけ中身が空気にふれないよう密閉して保存しましょう。
半生フードはタイプによって保存場所が異なる
半生フードとは、25〜35%程度の水分が含まれるフードをいいます。
ソフトドライや、セミモイストといった呼ばれ方をします。
半生フードも、冷暗所で密閉容器での保存が推奨されています。
半生フードは、水分量が多いので、1〜2週間程度を目安に使い切りましょう。
ウェットフード・缶詰は密閉して冷蔵保存
フードに含まれる水分が75%以上のものをウェットフードといいます。
缶詰のほか、レトルトパウチなどがありますが、いずれも開封後はラップで包むか、密閉容器に入れて冷蔵保存が基本です。
また、賞味期限は1日とされ24時間以内に使い切るようにしましょう。
ドッグフード保存容器は何で選ぶ?
ドッグフードを保存する際、保管場所など気をつけるポイントを紹介しました。
では、容器はどのようなものがいいのでしょうか。
密閉度の高い容器
密閉度の高さは、できるだけ酸化しないようにできるポイントなので大切です。
瓶やプラスチックでOKなので、できるだけ密閉度の高い容器を選びましょう。
ドッグフードの容量に合わせたサイズ
小型犬や大型犬では、ストックする容器の容量も変わってきます。
約半月分入るようなものがおすすめです。
フードの取り出しやすさ
計量カップを入れたり蓋が大きなものを使うと、1回のフードの量が分かりやすく、開けっ放しにならないのでおすすめです。
大きな蓋より開閉式の蓋で空気に触れる時間を短くするのもいいでしょう。
洗いやすさ
フードの容器は常に清潔であるべきです。そのためには、ドッグフードの容器は洗いやすく、水気を完全に拭き取れる容器がおすすめです。
水気を拭けないと、ドライフードのカビや虫の原因になってしまいます。
月に1回は洗って清潔を保てる容器にしましょう。
まとめ
今回は、ドッグフードを正しく保存する方法や、タイプ別の保存方法などを紹介してきました。愛犬のためにも、正しい保存方法を知って健やかな生活をさせてあげましょう。
梅雨のシーズンや、夏の気温が高くなるシーズンは、乾燥剤を入れておくとさらにドライフードの風味も持つのでぜひ試してみてくださいね。