愛犬がトイレ以外の場所で粗相をしてしまい、困っている飼い主さんもいらっしゃるでしょう。一度失敗をすると、同じところに繰り返し排泄してしまうケースも少なくありません。
今回は、犬がトイレを失敗する主な理由と対策法について、解説していきましょう。また、わざと失敗するケースや、病気の可能性についても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
愛犬がトイレを失敗してしまう理由と対策
愛犬がトイレを失敗してしまうのには必ず理由があります。では、主にどのような理由が考えられるのか紹介していきましょう。
トイレのしつけが未完了
トイレのしつけをおこなった後に「完璧にしつけができた!」と確信をして、トイレトレーニングを終了してしまうことが多いです。しかし、実際はまだ完璧な状態ではなく、愛犬がトイレの正しいやり方を覚えきれていないという場合もあります。
また、最初はサークルやケージの中でトイレのしつけをおこない、最終的にはこの場所にトイレを置きたいという理想がある飼い主さんも多いでしょう。置きたい場所で練習をおこなっていないので、元あった場所で粗相をしてしまうこともあります。
▼対策法
まずケージ内でのトイレトレーニングは、100%の成功率をキープできるまで続けます。そして、最終的に設置したい場所までトイレを徐々に移動させていきましょう。
途中で失敗した場合は、また初めからトイレトレーニングを行い、根気よく続けていくことが大事です。」
トイレとベッドが近い
通常トイレはケージの中に1つでトイレトレーニングをおこないます。ただし、ケージの中でトイレとベッドが近すぎてしまうと、ベッドの上で排泄してしまうことがあるので注意が必要です。
トイレと寝床が一緒になっていると、トイレに失敗しやすくなるだけでなく、おしっこなどを我慢させる原因にも繋がります。
▼対策法
トイレとベッドの距離を離してあげましょう。トイレとベッドの違いを認識しやすくなります。ケージから離す場合は、少しずつ距離を置くことで成功しやすいです。
トイレの清潔が保たれていない
トイレが汚れていると「ここでしたくない」と感じて、他の場所に粗相してしまうケースがあります。
犬は大変きれい好きで、トイレがちょっとでも汚れているとなかなかそこで排泄してくれないという事を理解しておくことが大切です。トイレシートは、できるだけ清潔を保つために、こまめに取り替えるようにしましょう。
▼対策法
トイレシートはこまめに取り換えることが大切です。成犬では3〜4回交換するようにします。シートを変える度に、トイレトレーの枠やメッシュ部分も消臭スプレーやウェットシートを使って綺麗に拭きます。またトレイトレーの丸洗いは、最低でも1週間に1回おこなうとよいでしょう。
トイレのサイズが小さく合っていない
犬にとって排泄する場所が狭いと、はみ出しの原因となるので注意が必要です。
犬はトイレをする前にクルクルと周る習性があります。その時に体が外にはみ出たり、あるいは周りきれないほど狭い場合、トイレに失敗しやすくなります。
▼対策法
今のトイレを大きくしてあげましょう。犬がシートに乗った際に、体の2〜3倍以上ゆとりのある大きさがおすすめです。
カーペットの近くにトイレを置いている
犬は本来草むらや土の上など、柔らかい感触の場所で排泄をしたがる傾向にあります。カーペットや足ふきマット等の上で排泄をしてしまう場合、その場所をトイレと勘違いしている可能性が高いでしょう。
▼対策法
トイレの近くには、カーペットやマット等を設置しないように心がけます。トイレを完璧に覚えるまでは、失敗してしまいそうな柔らかいアイテムを隠しておくのもおすすめです。
普段からカーペットでの粗相が目立つ場合、カーペットをフローリング調に変えたり、素材に工夫をしてもよいでしょう。
粗相の際きつく叱った経験がある
愛犬がトイレを失敗したときに、叱ってしまう飼い主さんは少なくありません。しかし、叱るとさらにトイレの失敗の原因を作ってしまう場合があります。過去にきつく叱った経験がある場合は、今後一切叱らないと意識することが必要です。
▼対策法
トイレでない場所に粗相をしてしまったとき、何食わぬ顔で掃除を済ませます。ここで何かしらの感情を出すと、「構ってもらえる」と勘違いしてしまう可能性があるので注意しましょう。
失敗の後、処理は冷静に対応しつつ、引き続きトイレのしつけを根気よくおこないます。うまくできた時は思いっきり褒めるように心がけましょう。そうすることで、正しいトイレの場所を覚えるでしょう。
かまってほしいという理由でわざとおしっこしてしまう
愛犬がトイレを失敗する理由のひとつとして、飼い主さんにかまって欲しいからわざと失敗するケースがあります。過去にトイレを失敗して、飼い主さんから何かしらのリアクションを得た経験がある場合、「失敗すればかまってもらえるんだ」と学習した可能性はよくある話です。
寂しさがあって、わざと違う場所で粗相をしてしまうケースもあります。その際、飼い主さんは、かまってしまうことがないようにしましょう。ただし、寂しい思いをさせてしまっている分、愛情表現を持つことも大切です。間違ってはいけないのが、粗相をした際に感情を出すとそれが愛情表現と思って、正しいトイレを覚えないこともあるので注意するようにしましょう。
病気が原因でトイレに失敗してしまうケースも
犬がトイレを失敗してしまうのは、病気・不安分離症・老犬の認知症などの病気が原因の場合もあります。よくある症状を紹介しましょう。
膀胱炎
病気の中で一番多いのは膀胱炎です。排泄のタイミングをコントロールができなくなることで、トイレの失敗に繋がります。
少量の排尿が多くなったり血尿が出ている場合、膀胱炎を始めとする病気を疑いましょう。心配な症状がある場合は、すぐ獣医師へ相談しましょう。
不安分離症
留守番中の問題行動に繋がるケースがあり、中でもトイレを失敗するというのは最もよくある症状のひとつです。
なぜ不安分離症になっているのかは、犬によってそれぞれ異なるので、これをすれば確実に治るといった方法はありません。ただし、留守番に慣れさせるというトレーニングをおこなうようにすると改善する場合もあります。
認知症
一般的に11〜12歳を過ぎたくらいから、徐々に認知症の症状が出てくる場合があります。犬の認知症の症状の1つとして、トイレの失敗があります。今まではちゃんとトイレで排泄できていたのに、認知の歪みによりトイレの場所を認識できなくなる現象です。
この場合、トイレのしつけをもう一度行うことは難しいです。トイレシートの範囲を広くする方法や、犬用のおむつでサポートしてあげることも視野にいれましょう。
まとめ
犬のトイレトレーニング方法は難しくないですが、色んな要素が重なることで失敗してしまうケースもあります。まずはしっかりと愛犬の様子と周りの環境を観察して、何がトイレの失敗の原因になってしまっているのか考えてみることが大事です。
愛犬がトイレに失敗しないよう、飼い主さん側で環境をしっかりと整えてあげましょう。習慣付けることでトイレに失敗する確率はグンと下がります。飼い主さんも根気強く対応することが肝心なので、愛犬と一緒に頑張ってみましょう。